「ジェントリフィケーションと報復都市」

大阪で行われた酒井さん、原口さんのトークイベント。

トークセッション 原口剛×酒井隆史
「大阪から考えるジェントリフィケーション 〜 都市は滅びるのか?」 ジュンク堂書店 難波店(2014.9.13 15:00 〜 17:00)

ジェントリフィケーション論の古典ニール•スミス「ジェントリフィケーションと報復都市」刊行記念のトークでもあったみたい。ネット上で読めるpdfでのレポートがありがたい。

リンク→ジェントリフィケーション/トークセッション

「繰り返しになりますが、ジェントリフィケーションとは何かを簡潔に要約するならば、まずひとつには資本主義固有のロジックであり、資本主義を延命させる ために、都心の労働者地区を開拓(パイオニア)していく過程であるということです。 もう一つには、富裕層、ミドルクラスによって貧しい労働者階級、移民の人たちが征服され、基本的に追い払われていくプロセスとして理解することがきわめて 重要なのです。

付け加えると、これはジェントリフィケーションという言葉そのものに含まれています。ルース・グラスが新しいプロセスを見つけ出した時に、これをジェント リフィケーションと名指したのはなぜか。「ジェントリ」がどういう人を指すかというと、「レデイス&ジェントルマン」の「ジェントルマン」ではあ りません。基本的には16〜17世紀のイングランドの土地所有者の階級です。彼らが自分たちの農地を囲い込んで資本主義的な経営をはじめ、そこで私的所有 が確立されていくわけです。その土地を囲い込んで、そこで暮らしていた農民を追い出していった階級の人々をジェントリといいます。

それをふまえてルース・グラスはジェントリフィケーションと名指した。それは今も昔も同じで、同じことが都心でも起きている。つまり豊かな人々が都心の労 働者階級のエリアを囲い込み、貧しい人々を追い出してしまうプロセスなんだという意味がこの言葉に込められています。ここがジェントリフィケーションとい う言葉を考える上で非常に重要だと僕は思ったんです。(原口剛)」